ERPのシステム価格や費用は?

統合基幹業務システムERP)は、様々なビジネス機能や業務の合理化を支援する統合的な管理システムです。自社に適切なERPソフトウエアを選択するには、費用や要件などに基に予算を決める必要があります。このブログ記事では、ERPシステムのコストに関連する要因を考えながら、あなたの企業に新しいERPソフトウェアの予算作成に必要な情報をご紹介します。

費用構成要素とそのコスト内容を明確に理解することで、あなたの企業に適したERPソリューションを選択する際に、十分な情報に基づいた意思決定ができるようになります。

ERPソフトウェアのコスト内容を理解する

ERPソフトウェアの費用は、各ビジネスに固有のいくつかの要因に基づいて大幅に変化する可能性があります。さらに、正確な見積もりを決定するには、以下の側面を考慮することが不可欠です:

1.ビジネスの規模と複雑さ:あなたのビジネスの規模と業務の複雑さは、ERP導入のコストを大きく左右します。より複雑なプロセスを持つ大規模な組織は、より広範かつカスタマイズ可能なERPシステムを必要とする場合にはより高い費用になる可能性があります。

2.ユーザーの数: ERPシステムにアクセスするユーザーの数は、ライセンス費用および実装コスト(組織やフローの設定、トレーニングやテスト)に影響を与えます。一般的に、ERPベンダーは、ユーザー数ごとに費用が発生するユーザーベースの価格設定になっています。現在および将来的にシステムへのアクセスを必要とするユーザー数やそのタイプを考慮することが重要です。

3.カスタマイズ要件:すべてのビジネスは自社特有の要件を持っており、ERPソフトウェアのカスタマイズは、特定のニーズを満たすために必要な場合があります。カスタマイズは、マイナーな微調整から大幅な変更にまで及ぶ可能性があり、それはERP導入の全体的な費用に大きな影響を与える可能性があります。より広範で多くのカスタマイズが必要な場合は、より高いコストになります。

4.機能とモジュール:ERPシステムは通常、財務、販売、在庫管理、人事などのさまざまなビジネスプロセスをサポートするように設計されたモジュールや機能を提供しています。必要な機能や追加モジュールは、ERPソフトウェアの導入コストを増加させます。

ERPソフトウェアの予算

新しいERPソフトウェアの下調べを開始する前にまず凡その予算を設定すると良いでしょう。まず自社に合ったERPソフトウェアの大小によって、多くのソフトの中から、その候補とそのERPパートナを絞ることができます。

ここでは、ERPの予算を効果的に計画するためのステップ毎のアプローチをご紹介します:

1.あなたのビジネスニーズや要件の決定:あなたのビジネス要件の洗い出しと評価をし、大まかにERPシステムの中で行うのに必要な主要機能やモジュールを決めます。優先順位含めてどのプロセスを合理化し、どの分野の業務改善が必要かも判断します。この評価は、適切なERPソフトウェアを選択するための基盤となります。

2.ERPプロバイダーの調査:自社のビジネスニーズに合うERPメーカーやベンダーを選定するために、様々な調査を行う必要があります。提供可能な製品やサービスを調査し、ソフトの評価もオンラインなどでできる限り確認し、使用企業や市場での評判も評価します。自社の業界での実績や導入事例など、導入に成功した実績のあるベンダー含めた項目で評価をしていきます。

3.見積りと提案の依頼: 候補に挙がったERPメーカーやベンダーに連絡し、要件に基づいた詳細な見積もりと提案を依頼します。その際、ユーザー数、必要な機能、カスタマイズ要件など、自社のビジネスに関する包括的な情報を提供しますそうすることで、メーカーやベンダーはその会社のニーズに合わせた正確な見積りを提示できるようになります。

4.トータルコスト・オブ・オーナーシップ(TCO)の考慮:初期ソフトウェア・ライセンス費用はERP予算の重要な要素ですが、システムに関連する長期的な費用を考慮することも重要です。これには、クラウドなどの利用料、年間保守料、継続的な技術サポート費用、潜在的なハードウェア費用などが含まれます。TCOを評価することで、全体的な投資額とその対効果を把握することができます。

5.専門家の指導:要件や見積りなどの内容に不安がある場合や、さまざまなERPオプションの評価や選定にサポートが必要な場合は、コンサルタントやコンサルティング会社などの専門家に依頼することを検討しましょう。ソフト選定やERPの領域で豊富な経験を持っており、情報に基づいた意思決定を支援するための貴重な情報分析を提供できるコンサルティング会社やERP選定パートナーを見つけることができます。

ERP費用比較例

前述したようにERPの正確な費用を算出するにはビジネスニーズを理解する事が重要です。与事業規模、ユーザー数、カスタマイズ要件、企業の複雑さなどは、さまざまな要素がERPコストに影響を与えます。

このブログ記事では、実際にカルソフトで導入したMicrosoft Dynamics GPやMicrosoft Dynamics NAVなど、中小企業向けのERP導入にかかったるおおよその費用をそのオンプレミスユーザー数を目安にしながらご紹介します。

3社比較

導入費用

A社 – 3ユーザー: 財務会計機能のみ

ソフトウェア+ライセンス費用:約$5,000~$8,000 (最初のスターターパックなどの購入費用と初年度の年間保守費用を含む。) 1ユーザーあたり3,600ドルで新規ユーザーを追加可能(Microsoft Dynamics GP。年間保守費含)

  • 1ユーザーあたり3,600ドルで新規ユーザーを追加可能(Microsoft Dynamics GPなど。年間保守費含)

導入サービス料金:約90~120時間(システム設計・開発、データ移行、ユーザートレーニングなど)

  • 45,000から87,750 USドル (一般的なベンダー費用は、1時間あたり150ドルから195ドルで計算)
  • カスタマイズや他システムとの連携は不要と仮定。

カスタマイズや他システムとの連携は不要と仮定。 ハードウェア、サーバライセンス、設定費・:12,000から15,000 USドル(専用サーバーの場合)

B社 – 10ユーザー: 財務、販売、在庫管理機能

ソフトウェア+ライセンス費用:約30,000ドル(最初のスターターパックなどの購入費用と初年度の年間保守料を含む。) 1ユーザーあたり3,600ドルで新規ユーザーを追加可能マイクロソフトダイナミクスGPなど。年間保守費含)

  • 1ユーザーあたり3,600ドルで新規ユーザーを追加可能(Microsoft Dynamics GPなど。年間保守費含)

導入サービス料金:約220〜320時間(システム設計・開発、データ移行、ユーザートレーニング等) 33,000から62,400 USドル (一般的なベンダー費用は、1時間あたり150ドルから195ドルで計算)

  • 45,000から87,750 USドル (一般的なベンダー費用は、1時間あたり150ドルから195ドルで計算)
  • カスタマイズや他システムとの連携は不要と仮定。

ハードウェア関連費用:専用サーバー・マシン、関連ライセンス、新しいネットワーク機器が必要な場合、約25,000~35,000ドル

C社 – 15ユーザー: 財務、販売、在庫管理機能

ソフトウェア+ライセンス費用:約48,000ドル(最初のスターターパックなどの購入費用と初年度の年間保守料を含む。)  

  • 1ユーザーあたり3,600ドルで新規ユーザーを追加可能(Microsoft Dynamics GPなど。年間保守費含)

導入サービス料金:約300〜450時間(システム設計・開発、データ移行、ユーザートレーニングなど)

  • 45,000から87,750 USドル (一般的なベンダー費用は、1時間あたり150ドルから195ドルで計算)
  • カスタマイズや他システムとの連携は不要と仮定。

ハードウェア関連費用:専用サーバー・マシン、関連ライセンス、新しいネットワーク機器が必要な場合、約$30,000〜$40,000

ERPプロジェクトのコスト構造

1. ソフトウェアライセンス料

  • (クラウド型ERP利用時)月額利用料金
  • (オンプレミス型ERPの場合)ソフトウェアの初期購入費用。 さらに年間保守料がかかり、通常ソフトウェアライセンス料の16%から25%かかります。 年間保守料を支払うことで、新しいバージョンへのアップグレードライセンスが無料保証されます。

2. 実施サービス費用

  • 導入サービス(平均時間給:150~195ドル、ベンダーによって異なる)
  • 通常、システム設計/開発、データ移行、ユーザー・トレーニングなどの費用が含まれる。
  • テクニカル・サポート(平均時間給:150~195ドル、ベンダーによって異なる)

3. ハードウェア費用など

  • 専用サーバー機および関連ライセンス費用、サーバー構築費用など
  • ファイアウォール(通常、ERPプロジェクトでは必須ではないが、企業のファイアウォールを使用しない場合は必要)
  • データバックアップソリューション(必要な場合)

ERPシステムのメリットと効果

ERPは決して安価ではありませんが、最新のERPが提供できるコストメリットと投資収益率(ROI)を考慮することが不可欠です。ここでは、長期的に大幅なコスト削減につながるメリットをいくつかご紹介します:

1.ITコストの抑制

ERPシステムを導入することで、複数の個別システムが不要になり、ITインフラとメンテナンス・コストなどの管理費用を削減できます。単一のERPプラットフォームを通じてビジネスプロセスを一元化することで、ソフトウェア、ハードウェア、サポートのコスト効率を高めることができます。

2.財務の可視化 

ERPシステムは、財務データをリアルタイムで可視化し、より良い財務管理と意思決定を可能にします。正確な財務情報が手元にあれば、コスト削減の機会を特定し、財務リスクを低減し、リソース配分を最適化することができます。

3.すべての企業データを一箇所で保護

企業データを一箇所に保管することで、データへのアクセス性が向上し、異なるシステム間で情報を検索する時間が短縮されます。データへのアクセスが合理化されることで、業務効率が向上し、データの不整合によるエラーの可能性が低くなります。

4.レポーティングと分析の向上

ERPシステムは豊富なレポート作成と分析機能を備えているため、包括的なレポートを作成し、貴重なビジネスデータ情報を分析することができます。正確でタイムリーな情報を得ることで、プロセスを最適化し、データに基づいた意思決定を行うことができ、コスト削減に繋がります。

5.チームコラボレーションの強化

ERPシステムは、組織内の異なる部門やチーム間のシームレスなコラボレーションが可能になります。このコラボレーションにより、冗長的なタスクが排除され、コミュニケーションが改善され全体的な生産性が向上、またプロセスの合理化によるコスト削減につながります。

6.サプライチェーンの効率化

ERPシステムは、サプライチェーンプロセスを適切に管理・統合し、より優れた生産、在庫管理、調達、物流を可能にします。サプライチェーンを最適化することで、過剰在庫を最小限に抑え、輸送コストを削減し、サプライチェーン全体の効率を向上させることができます。

7.カスタマーサービス向上

ERPシステムは、詳細な顧客データを提供し、より良い顧客サービスを提供することができます。包括的な顧客情報にアクセスすることで、を提供し、より良い顧客サービスを提供することができます。包括的な顧客情報にアクセスすることで、

Dynamics 365 価格

最新のクラウドERPのMicrosoft Dynamics 365は、さまざまな業務を管理するためのエンドツーエンドの機能を提供する世界中で利用されているERPソリューションです。Dynamics 365の導入を検討する際には、ビジネス固有のニーズ、必要とする機能、潜在的なカスタマイズ要件を評価することが重要です。システムにアクセスするユーザー数も、ERP導入の総コストに影響する要因です

まとめ

ERPシステムの選択は、ビジネスの要件やニーズを慎重に検討し、現実的に投資できる予算を設定しましょう。ERPソフトウェアの費用は、ビジネスの規模、ユーザー数、カスタマイズ要件、および業務の複雑さなど様々な要因に基づいて異なります。要件や優先順位をしっかり把握しならがら、ERPメーカーや ベンダーを調査し、ERP システムの長期的なメリットを考慮することで、予算に見合った価格で、投資効果を最大化することができます。

  1. How to Select an ERP
  2. How Much Does An ERP System Cost?
  3. How Long Will An ERP Project Take To Implement?
  4. Cloud ERP vs On-Premise ERP – Which Is Better?
  5. How to Select an ERP Vendor
  6. How To Get The Best Price On An ERP System
  7. ERP Project – Fixed Bid or Time and Materials?
  8. ERP Comparison: Dynamics 365 Finance and Operation, Dynamics 365 BC, Dynamics GP
  9. What is a Cloud ERP Solution?

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経験豊富なERPコンサルタントのチームは、予算の制約に配慮しながら、お客様独自の要件に沿った適切なERPソリューションを提案します。

ERPシステムの導入には、単なるソフトウェアのインストールだけでは不十分です。当社のERPコンサルタントは、お客様のチームと緊密に連携し、貴重な情報分析と提案を行い、ERPソリューションから最大限の利益を引き出すお手伝いをします。ERPの導入をご検討中の方は、今すぐお問い合わせください。

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