プロジェクトの概要

WAKOU USAは、2015年に米国での製造を開始しました。当初は生産品目や数量が限定的でしたが、昨今のラーメンブームの影響もあり、販売数量や顧客数は着実に拡大していました。

生産規模の拡大に伴い、工場設立以来使用していた単純な会計ソフトによるビジネスデータの管理に限界を感じていました。特に、製造現場や倉庫でのリアルタイムな在庫管理や、新規開発依頼のレシピ管理、ロット番号による正確な生産活動履歴管理は、食品の安全性と効率的な生産活動を確保するためには必要不可欠な機能であり、これらの業務管理機能と会計機能を統一されたビジネス管理基盤で構築する事は、将来のビジネス拡大を考える上で避けて通る事ができない課題となっていました。

そこで、WAKOU USAは、次世代のERPシステムとしてMicrosoft社の Dynamics NAVを選択し、カルソフトをシステム導入のパートナーとして採用しました。

Dynamics NAVの包括的なビジネス管理機能により、WAKOU USAは、部門間での情報を同じシステム画面から共有し、同じ数字を元に業務を遂行できるようになりました。Dynamics NAVの標準機能を活用しながら、特に製造現場や倉庫ではモバイル端末（バーコード読取り用）を用いた在庫の受払い処理が出来るようになり、事務所と現場の情報乖離がなくなり社員の皆さんはリアルタイムでのビジネスデータを使って、より正確で効率的な作業をする環境が整いました。

システム導入後の活動

WAKOU USAは、Dynamics NAVの本番稼働後も、カルソフトによる運用サポートを受けながら、使い方の改良に日夜取り組んでいます。一つの例としては、統一システムから即時にデータ分析が出来るBI基盤を構築し、さらなる販売活動の拡大に繋げる事に取り組んでいます。この他にも業務効率化に寄与するシステムの改善をカルソフトと共に続けていく予定です。

プロジェクトのゴールと目的

• 製造現場と倉庫における在庫移動の見える化
• 食品の安全性と規制への対応（ロットトレーサビリティ、品質記録管理など）
• 倉庫業務における人的エラーの削減　（転記ミスや、誤出荷防止など）
• 優れた研究開発レシピ管理システムの開発
• 生産利益/製造コスト分析
• 将来のビジネス拡大に備えたシステム基盤の構築

その他のメリット

• 製造現場と倉庫における在庫移動の管理向上

  • Dynamics NAVとシームレスに連携するモバイルWMSアプリケーションの活用により、生産現場と倉庫のオペレーターによる誤ピックなどの誤った作業を防止することができます。

• サプライチェーンマネジメント

  • Dynamics NAVは製販一体のシステムであり、販売機能と製造管理機能が有機的にリンクされています。これにより最適な在庫レベルを考慮しながら、購買計画と生産計画をシステムが推奨し、利用者はその情報を元に業務につなげる事が可能になります。

• コンプライアンスと食品安全

  • リコールが発生した場合、原材料から完成品までの製造経路を短時間に把握する事は食品メーカーにとって必須の要件です。Dynamics NAVはきめ細かい在庫管理機能を有しており、原材料ロット、WIPロット、製品ロットに至る全てがリンクされているため、リコールが発生した場合、即座の情報追跡が可能です。

• 試作品レシピ管理

  • Dynamics NAVの標準機能に加え、レシピ開発の管理機能を導入した事で、過去の試作品のデータを新製品の開発や顧客提案の活動に活用できるようになりました。

カルソフトを選んだ理由

• 以前からお付き合いのあった会計事務所の方からご紹介を受けました。弊社と同じ様な規模のERP導入経験が豊富であり、システム課題解決の具体的施策を要件定義サービスにおいて示して下さり、ERP導入のスペシャリストと判断し彼らの提案を採用しました。
• 日系企業であり、特にシステムを利用するユーザは日本人が多い事から、日英の両言語でシステム導入に関わるサービスを提供できるという点も高く評価しました。
• ERP導入サービスは迅速かつ着実に、事前計画に沿って実行されました。システム導入後のきめ細かく素早いサポートにも感謝しています。