適切なERPシステムを選択することはビジネスプロセスの生産性を向上に繋がります。ERPを選択する要件は通常複雑で、様々な要素が関わってきます。
数多くのERPベンダーやソリューションから正しい選択をすることは大変骨の折れる作業です。このブログ記事では、ERPベンダーとパートナーの選択基準、ERP選択プロセス中に尋ねるべき質問、およびERP選択コンサルタントの役割について掘り下げます。初めてのERP導入を検討されている場合でも、既存のシステムのアップグレードを検討している場合でも、このガイドがERPソフトウェアの選択の一助になれば幸いです。
1. ERP導入理由の定義
ERPシステムの選び方: ERPシステムを導入する理由を定義することは、ERP選択プロセスの方向性を決定する基本となる重要なステップです。
一番初めになされるべき質問は、ERPシステムで何を達成したいかということです。
適切なERPシステムを選択する上で、ビジネスニーズの見極めは必要不可欠です。これらの要因を評価することは、ERPシステムの選択プロセスの基礎となります。
具体的には、導入の目的やERPシステム求める機能のリストを作成が重要となってきます。既にERPシステムを使用している場合は、現状の評価から、組織の生産性を向上させるために必要なシステム的またそれ以外の取組みや追加機能の選定が重要になってきます。
既存のERP持っている場合のチェックリスト:
- ソフトウェアが要件を満たしていない:現在のERPシステムには制限があったり、重要な機能が不足していたり、変化するビジネスニーズに合わなかったりする可能性があります。業務の妨げとなる具体的な因を特定しましょう。
- 現在のソフトウェアで目標が達成されていない:既存のERPがビジネス効果的にサポートしていない場合は、変更を検討する時期です。ERPの本来の目的は業務を合理化し、生産性を向上させることにあります。
- 既存のERPソフトウェアの欠点により効率が低下し顧客から不満が寄せられている:業務やERPシステムによって引き起こされる顧客の不満は、重大なシグナルです。こういった指摘は評判と競争力に大きな影響を与えますので早急な解決が重要です。
- 競合他社が一歩先を行っている:業界内での遅れの原因として、ERPシステムが技術の進歩に追いついていない可能性があります。因ってより革新的で競争力のあるソリューションが必要な場合があります。
- 会社が成長し、より多くの機能が必要: ビジネスが拡大するにつれて、ERPも更なる自動化、データ連携や共有など進化が求められます。新しいプロセスやデータ量の増加に対応するために、追加機能が必要になる場合があります。
- 現在のERPシステムの維持費が高い:高いメンテナンスコストは収益性を損なう可能性があります。現在のERPシステムが経済的に負担が大きい場合は、クラウド化や保守要員の削減などより費用対効果の高いオプションを検討することも必要になってきます。
ERPシステムを初めて導入する場合のチェックリスト:
- Excel または従来のソフトウェアを使用してビジネス データをラックしている: Excel や従来のソフトウェアなどの古いツールに依存していると、ビジネス データの効率的管理および分析妨げられる可能性があります。ERPシステムでは、正確且つより包括的にデータ管理をすることができます。
- 業務に関するドキュメントがない/不足している: ドキュメントの不足は、ミスや非効率化につながる可能性があります。ERPシステムを活用することで標準化されたプロセスの確立や記録の維持に役立ちます。
- 生産性の向上に役立つ機能を探している:業務の合理化、社内コラボレーションの改善、生産性の向上を検討している場合、こののような目的のために ERP は設計されているため、それに見合うツールと機能を提供できます。
- 社内のさまざまな部門が、より効率的なコラボレーションの方法を必要としている: ERPシステムは、データ共有のための一元化されたプラットフォームを提供することで、部門間の連携・コラボレーションを促進します。これにより、業務ワークフローがよりスムーズになり、コミュニケーションの改善につながります。
- ビジネスや業務には適切なドキュメントとレポートが必要です: 意思決定には、適切なドキュメントが不可欠です。ERPシステムを活用することで正確でタイムリーなレポートを生成し、ビジネスの円滑な運営及び必要なコンプライアンスレベルも同時に維持することが出来ます。
- サービスの遅延により顧客が満足していない:サービスの提供速度は、評判と収益に密接にか関わってきます。ERPシステムは注文処理やサポート業務などを合理化し、リードタイムを短縮するのに役立ちます。
- 優れたシステム実装により競合他社が優位に立っている:旧型のシステムの使用は他社と比較して競争力の低下につながります。最新のERPシステムは、自動化やAIなども駆使し、企業の競争力自体を高めることさえできます。
もっと読む:なぜあなたの企業にERPソリューションが必要なのか (calsoft.com)
参加チームの選定
ERP導入に際してチーム全体がプロセスを認識し、考えやニーズをインプットできる環境というのはとても重要になってきます。
ERPの選択は、関連する部門とチームメンバーが共同で行う必要があります。。具体的にはさまざまなチームとのコミュニケーションや聞き取りを通して既存のプロセスを見直し、そしてビジネスで改善できる点をよりよく理解します。またERPのデモを行う際は、チームメンバーを会議に含め、ERPが各部門のビジネスや生産性にどのように役立つかについて一緒に話し合うことも重要です。
ここでは、いくつかの重要事項とステップをご紹介します:
- 幅広い分野でのチームの編成: 組織内のさまざまな部門や機能を代表するクロスファンクショナルチームの編成は第一ステップです。このチームには、財務、IT、運用、営業、およびERPシステムの影響を受ける分野の人材を含める必要があります。そういった各チームや人材の知見を基にERP導入の検討をしていきます。
- 主要な意思決定者の選定: ERP プロジェクトをードし、意思決定権限を持つーダーやメンバーの選定はプロジェクト成功のカギになります。このメンバーは組織の目標を明確に理解し、ERPの選択を全体的なビジネス戦略の視点から考え、様々な決定をする必要があります。
- ユーザーインプット:ERPシステムを直接使用するキーユーザーからのフィードバックは重要です。日々のワークフロー、ペインポイント、必要な機能に関するフィードバックは、組織のニーズを満たすERPを選択する上で非常に大切です。
- インタビューの実施: チームメンバーや部門長にインタビューを行い、不満を聞くことで具体的な要件の包括的な理解につながります。これらの情報は、部門にとって重要な機能の優先順位付けをし、ERP選定にも役立ちます。
- 既存のプロセスを確認する: 既存のビジネスプロセスを理解・分析して、ボトルネックと改善すべき領域を特定する。現在のワークフローを理解することは、ERPシステムが業務を合理化する方法を探し出すために不可欠です。
- ERPのデモンストレーション: ERPベンダーとの製品デモをスケジュールする際は、システムを使用するチームのキーメンバーが同席します。これにより、ERPが日常業務にどのように役立つかを直接確認し、いやすさとニーズへの適合性に関するフィードバックやコンセンサスを得ることができます。
- オープンコミュニケーション: チーム内でオープンな会話はプロジェクトの成功にも関わります。具体的には、チームメンバーに自分の考えや懸念を共有するよう促すことでスタッフの当事者意識と改善への熱意を育むことができます。
- トレーニングと変更管理:ERP導入計画の一環として、トレーニングと変更管理に充分な人的リソースを割り当てましょう。チームメンバーが移行に向けて十分な準備ができていることを確認することで、よりスムーズな導入プロセスを行うことができます。
- プロジェクトマネージャー:ERPの導入プロセスをリードし、プロジェクトを軌道に乗せることができる専任のプロジェクトマネージャーを任命しましょう。この担当者は、社内のさまざまな部門とERPベンダーの間の懸け橋となる重要な役割を果たします。
- ビジネス目標との整合性: そのERP の選択が、組織の包括的なビジネス目標と一致していることを確認しましょう。各部門のニーズと組織全体の目標に合致したERPの導入が重要になってきます。
ERPを最大限に活用するためには、各フェーズではじめから適切な人材を巻き込むことが非常に重要です。このアプローチによりERPソリューションが技術要件と組織の実際のニーズの両方を満たし、最終的に実装を成功に導くことができます。
もっと読む:米国でのERP導入プロジェクト成功の秘訣–社内での協力体制 – Calsoft Systems | ERP, Network, IT Services
3. 信頼できるERPパートナーを見つける
社内要件を整理した後は、次のステップは信頼できそうなERPソフトやベンダーのリストを作成することです。作成したERPの要件と目標に沿って、ソフトの選定プロセスに進め、信頼できる導入パートナーも見つけましょう。
有名なERPソフトには、Microsoft Dynamics、Oracle、Infor、SAPなどがあります。これらのERPは、さまざまな業界やビジネス規模に合わせたさまざまなERPソリューションを提供しています。
ERPパートナーとその役割
Microsoft Dynamics 365などの大規模なERPソフトベンダーは、多くの場合、ERPパートナーのネットワークと連携します。これらのパートナーは、ERPソフトウェアの販売だけでなく、導入・実装とサポートをしています。ERPパートナーとの選定と契約は、ERPの選択において、最も重要な事項の1つになります。ERPパートナーからは、次のような情報やメリットが得られます。
- 製品に関する深い知識:公認ERPパートナーは、ベンダーのソフトウェアを深い理解をもっています。また、過去の経験に基づいた実用的な機能やメリットを説明することができます。
- カスタマイズされたソリューション:これらのパートナーは、お客様固有のニーズに合わせてソリューションにたいしカスタマイズの可否をアドバイスし、ビジネスに最適なERPソフトウェアの選択や導入を支援します。さらに特定の業界、規模、およびビジネスプロセスに基づいて導入やサポートもすることができます。
ERPパートナーの選定基準
最適なERPパートナー選定には様々な重要な要素があります。そのような要素をここで簡単に紹介いたします。
- 業界の専門知識: 自分の業界・業種の専門知識を持つパートナーを選択しましょう。業界固有の知識と経験は、皆様の課題を理解する上で大きな違いを生みます。
- 経済的に安定している: 経済的な安定性は長期的なサポートとサービスの提供に繋がってきます。ジネスの進化に合わせて継続的なサポートが、スタート時点に立ったといえる導入直後含めその後のシステム・業務改善やビジネス発展に影響します。
- 将来のビジョン: パートナー選定において、その会社や将来のビジョンは重要な項目の1つです。AIなど含め日々新たなテクノロジーが登場する昨今で、先見性や将来性のある長期的関係を築くことができるパートナーを選定しましょう。
- 豊富な成功事例:ERP導入や業務効率化に実績のあるパートナーを探しましょう。具体的な当該ERPや業界での導入効果やケーススタディなどから調べることも1つの方法です。
- 高い総合力と柔軟性:導入中や導入後の変化するニーズに適応できそうな、対応力やテクノロジーに柔軟性のありそうなパートナーを選びましょう。進化する要件や技術に対応するために、常にERPシステムの最新の知識や加拡張対応など総合力が必要になってきます。
- ERPのより多くの機能をカスタマイズおよび開発できる:高い技術力も持ったパートナーは、ERPシステムを独自のプロセスに合わせてカスタマイズする能力もあります、カスタマイズはできれば避けることは通常ですが、必要に応じて追加機能を開発する能力も技術力や理解を示す重要な要素になってきます。
ERPベンダーとパートナーのリストを作成したら、実際のミーティングをセッティングし、相手の得意分野、人材や実績などを知ることから始めます。ミーティングを通して自分たちのニーズを満たす知識、機能や特徴、またERPの価格体系、モジュールなど、ERPの選択に必要な情報をできる限りの情報を得ましょう。
ERP選択プロセス中にベンダーに聞くべき質問
ERPベンダーを評価する際には、ベンダーや製品を充分理解また評価するために具体的な質問が良い方法です。ここでは、いくつかの質問や確認事項をご紹介します。
- 同業・同種の他社での実績やクライアントからの推薦や導入事例はありますか?
- 導入・実装及び、た運用開始にはどのくらいの時間を要し、また時間通りに取り組める人材が現在いますか?
- 既存システムから新ERPへのデータ移行の内容及び移行方法はどのようにしてますか?
- ライセンス、導入、継続サポート、メンテナンスのコストなど、価格体系はどうなっていますか? 3-5年の将来的な費用はどの程度かかりますか?
- ユーザー向けのトレーニングプログラムはどのような体制と内容ですか?また費用はいくらですか?
- 当社のビジネスや目的に必要なシステムの特徴と機能、また標準にない機能などを教えてください。
- システムのデータセキュリティや体制をどのように確保していますか?
- このERPシステムはどのような一般的、またよく使われているアドオン機能がありますか?
- システムアップデートとアップグレードのプロセスについて教えてください。また新機能や修正含めてアップデートはどのくらいの頻度でリリースされますか?

ERP選択チェックリスト
ERPの選択において、次のチェックリストをご参考にしてください。
- ビジネスの目標と目的の定義
- 主要なステークホルダーの特定
- ERPベンダーを調査、候補リストの作成
- 同業界・業種での経験、拡張性、機能性、統合能力に基づいたベンダーの評価
- ベンダーに事例紹介を依頼し、同業界のクライアントの口コミの確認
- 価格、導入プロセス及びスケジュール、データ移行、サポート、カスタマイズに関する詳細な質疑応答
- ERPシステムの実践的なデモンストレーションの実施
- 可能な場合TCOと予想されるROIの計算
- ERPシステムが長期的なビジネス成長計画に合致しているかの判断
- 社内に事前調査や比較を行う人材がいない場合は、ERP選定の専門コンサル利用
もっと読む:ERPベンダーの選び方 (calsoft.com)
まとめ
正しいERPソフトウェアの選択の大枠を理解するために、まずERP選択のチェックリストをご確認ください。このチェックリストは、目標の定義、主要な利害関係者の特定、ベンダーの調査及び評価、TCOとROIの計算などを選定に必要な概要が理解できます。また、長期的な事業成長計画を検討することの重要性と、必要に応じてERP選択コンサル(やコンサルタント)の利用もご検討できます。
最適なERPシステムの選択は、充分な検討と戦略的なアプローチを必要とする時間のかかる作業です。それを簡単に整理すると次のようなまとめになります。まず目的と目標を定義し、現状とニーズを整理し、適切なチームを巻き込み、最適なERPソフトとパートナーを最終的に選びます。ERPソフトと信頼できるパートナーを選択し、導入を成功させることは、長期的な組織とビジネスの成長向けての避けて通れない道と言うことができます。
ERPの選択について詳しく知られたい方はこのブログ内のリンクからご確認ください。
もっと読む:
ERPコンサルタントを選ぶ際に必要な8つの質問 (calsoft.com)
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