ERP導入の契約形態:固定金額(定額)とT&M(実費償還)どちらがいいの?


小規模だった会社が成長するにつれ、従来使用していたシステムでは、変化するビジネスニーズや、増加する処理データに適応することが困難な場合が多くあります。そうすると、多くの企業が課題を解決するべく、会社のニーズに合わせて新しい会計・ERPシステムへの導入を検討します。

今回の想定ケースとして、新しいERP導入を検討している企業が、いくつかのシステムを検討した末、Microsoft Dynamics 365が最適だと判断し、自社に合ったERPベンダーの選定も行ったとします。(ERPの選び方ERPベンダーの選び方に関するブログをお読みでない方はERP購入ガイドをご参照ください)。ERPベンダーが決まると、いよいよ具体的な契約の交渉も始まります。中小企業向けERPの導入では、多くの場合、固定金額契約Time & Material(実費償還)契約の2種類の契約形態から選択することになります。この記事では、それぞれの契約形態の特徴と、選ぶ際のポイントを簡単に説明します。自社に合った契約形態を選ぶ際に少しでもお役に立てればと思います。

固定価格契約(Fixed Price)

固定価格契約は、実際に掛かった最終的な時間数に関係なく、予め合意した金額をベンダーに支払う契約です。

固定価格契約の場合、プロジェクトの作業範囲が双方にとって明確であること、また新しいERPが全てのビジネス要件を包括的に満たしている事が重要です。そうでなければ、期待していたよりも少ない機能性に悩まされたり、当初合意した金額から逸脱した予期せぬ出費が重なる事も考えられます。

固定価格契約の場合、プロジェクトの作業範囲が双方にとって明確であること、また新しいERPが全てのビジネス要件を包括的に満たしている事が重要です。そうでなければ、期待していたよりも少ない機能性に悩まされたり、当初合意した金額から逸脱した予期せぬ出費が重なる事も考えられます。

固定価格契約は、以下のような条件に最適です。

  1. プロジェクトの作業範囲が詳細かつ明確に定義されている。
  2. プロジェクトの予算を事前に決める必要がある。
  3. 予算超過のリスクを最小限に抑えたい。
  4. 週次や月次などの費用やスコープ管理があまり必要ない。

固定価格契約の例: 

  • Dynamics 365基本設定導入費: $50,000,  
  • 帳票・データ連携開発費: $25,000

実費償還契約(Time&Material

実費償還契約は、ベンダーがプロジェクトに費やした実作業時間と単価及び必要な経費に基づき費用が算出されます。要するに、「作業にかかった時間だけ請求する」という契約です。

実費償還契約は、契約時点で事前にプロジェクトの作業範囲が確定していない場合や、プロジェクト全体にどれだけの作業時間が必要か想定するのが困難な場合など、ベンダー側に伴うリスクが大きく、固定価格として契約すると見積もり金額が高くなってしまう場合に活用される契約形態です。

実費償還契約は、以下のような条件に最適です。

  1. プロジェクトのスコープや仕様などの作業範囲が明確でない。
  2. プロジェクトの作業範囲に柔軟性を持たせたい。
  3. 契約前の詳細仕様などに多くの時間を掛けず早期に進めたい。
  4. 双方またはお客側努力によってベンダーの作業時間減らせる可能性がある。

実費償還契約の例: 

  • Dynamics 365 人工時間単価: $150、  導入・開発見込時間: 500時間、 計:$75,000

まとめ

今回の記事では、Dynamics 365などの、中小企業向けERPを導入する際によく利用される契約形態の特徴と選ぶときのポイントをご説明しました。予算、リスク、プロジェクトの性質(標準機能が多いか・開発が多いかなど)、社内での準備状況、現在やこの先のプロジェクトを見据えた人材の状況など踏まえ、上に記した条件と照し合わせて最終的に自社に合った判断することになります。アメリカでは、ベンダーによってT&M契約しか提案しない場合も多く見受けられますので、事前に確認することをお薦めします。

カルソフトについて

カルソフトは、25年以上にわたってマイクロソフトとパートナーシップを組み、ワールドクラスのサービスレベルを目指しながら、マイクロソフトソリューションの導入やサポートをお客様のニーズに合わせ提供してきました。Microsoft  Dynamicsを中心に多くのビジネスソフトウェアを導入してきました。お客様がどのような状況にあっても、その企業の価値や業務の効率化を最大限に引き出し、ビジネス成果につなげたいと思っています。

  1. ERP購入ガイド – メインメニュー
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  5. ERP購入ガイド – ポイント④ クラウドとオンプレミスERPの違い
  6. ERP購入ガイド – ポイント⑤ ERPベンダーの選び方
  7. ERP購入ガイド – ポイント⑥ ERPを適正金額で導入する方法
  8. ERP購入ガイド – ポイント⑦ ERPの契約形態:固定金額とT&Mどちらがいいの?
  9. ERP購入ガイド – ポイント⑧ Microsoft Dynamics ERPの比較
  10. ERP購入ガイド – ポイント⑨ クラウドERPとは

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